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高森明勅
2012.8.17 06:51

8月日記抄(1)

8月1日、午前2時就寝、同4時半起床。

前日は代々木の神社本庁で、
「政教関係を正す会」(大原康男会長)の役員会、
総会、研究会があり、
総会の議長、研究会の司会を仰せつかった。

懇親会には出ないで新宿へ。

今はそれぞれ独立して暮らしている長男、
長女と、家内も揃って夕食。

次男は地方で大学生活をエンジョイしているので、不在。

だが、4人で食事をしているところへ丁度、
次男から電話。

小論文と面接の結果、
アメリカ、マサチューセッツ州の大学で
語学研修する機会を与えられ、
10月上旬に渡米するとか。

学科から数人だけ選ばれるらしい。

家内は、費用の大半を大学が出してくれるのが、
嬉しかったようだ。

あれこれ話が盛り上がって、
予定より帰宅が遅れた。

翌日の準備などしているうちに、
就寝が午前2時に。

さすがに、やや睡眠不足気味だ。

でも、愛犬むーすけの早朝散歩を欠かす訳にはいかない。

この日は、千葉県柏市の麗澤大学で、
社会人向けのオープンカレッジ夏期集中講義の第1日目。

テーマは「謎解き『日本の歴史』パート4」で、
2日で4コマ。

初日午前の第1講は
「神功(じんぐう)皇后は『君主』だったか?」。
奈良県の石上(いそのかみ) 神宮に
伝わる七支刀(しちしとう、国宝)は、

西暦369年に当時、
朝鮮半島にあった百済で作られたもの。

『日本書紀』によれば、
372年に我が国の君主に捧げられたという。

同刀の銘文には「倭王」とある。

この頃は、まさに神功皇后の時代。

もし当時、神功皇后が君主なら、
この「倭王」は神功皇后を意味することになる。

神功皇后は君主だった可能性が高い、
との見解は
『歴史で読み解く女性天皇』(ベスト新書)
で初めて披露した。

だが、七支刀のことには触れていない。

午後の第2講は「『古事記』は偽書だったか?」。

偽書どころか、
その原型は天武天皇13年(684)
頃までに書き上げられていたようだ。

その論拠を、やや丁寧に説明した。

オープンカレッジの後、モラロジー専攻塾に移動。
塾創設以来、「皇室研究」の講座を担当している。

7月に導入講義を済ませた。

この日は2コマ。

1コマ目は「日本神話論」と「継体天皇論」。

2コマ目は「推古天皇論」と「後鳥羽天皇論」。

塾生に、テーマ毎にそれぞれ15分づつ発表させ、
私がコメントし、更に論点を拡げていく形式。

勿論、質問もじゃんじゃん受ける。
全て終わったのが6時半頃。
この後、近所の店で、
地元の若い人たち10名くらいと、懇談。

馬鹿話から始まり、お酒が進むにしたがって、
真面目な話で熱気を帯びてくる。

皆、熱心だ。

でも、翌日もオープンガレッジなどの予定が控えているので、
名残惜しいが、10時半頃に早々と?終了。
振り返ると、午前10時半くらいから半日の間、
ほとんど喋りっぱなし。

早く寝ようとホテルに入ったものの、
普段テレビがない生活をしているので、
部屋に備え付けのテレビで、
オリンピック番組にかじりついてしまった。 
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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